毎朝 FAX 80 枚を手で打ち込む食品卸へ。注文書の読み取りとデータ化は 2 か月・120 万円
このご相談は、最近よくいただく相談を 3 件以上まとめて作った架空の例です。会社名も数字も、特定の 1 社のものではありません。
こんなご相談
社員 30 人で業務用の食品を卸しています。毎朝 FAX で 80 枚ほど注文書が届き、2 人が 3 時間かけて販売管理のシステムに手で打ち込んでいます。月に 10 件は入力の間違いがあり、誤配のたびに謝りに行っています。読み取りの製品を見に行ったら、月額 4 万円に 1 枚 30 円の従量で、うちの枚数だと年 100 万円近く。開発会社は「読み取りシステム 350 万円・5 か月」でした。月 9 万円を払い続けるのも、350 万円を一度に払うのも、どちらも腹が決まりません。
要るものと、要らないものを分ける
350 万円の見積もりで大きい所から見ます。
- 要るもの 3 つ。①届いた FAX(PDF で受信したもの)を OCR(紙の文字をデータにする読み取り)にかけて、品名・数量・納品日をデータにする。②得意先ごとの品名の揺れ(「玉ねぎ L」「たまねぎ L 玉」)を商品コードに当てる辞書。③読み取った結果を人が 1 画面で確認し、販売管理に取り込む CSV(販売管理が読み込める表のファイル)にする。
- 要らないもの 2 つ。①全自動。確認の画面を挟む方が早くて安全です。②販売管理システムの作り替え。今のまま使います。
この例の 350 万円の中身は、「読み取りエンジンの独自開発」と「販売管理との自動連携」でした。読み取りは既製の API(外部のサービスの機能を自分のシステムから呼び出す仕組み)を使い、連携は CSV にすると、この 2 つが消えます。
うちならこう作る
- 読み取りは、既製の読み取り API(Google が提供している文書の読み取りサービス)を使います。文字にする部分を自分たちで作ることはしません。
- 得意先 120 社分の注文書のレイアウトと、品名の辞書を 2 週間で作ります。過去 3 か月分の FAX を使って、読み取りの正しさを測りながら辞書を育てます。
- 確認の画面を 1 枚作ります。読み取った 80 枚が一覧で出て、怪しい所だけ色が付き、確認ボタンで CSV が書き出されます。最初の 1 か月は今の手入力と並走して、正しさが 98% 以上になったのを確かめてから切り替えます。2 人で 3 時間かかっていた手入力は、1 人が 20 分で確認する作業に変わります。
納品するものは 4 つです。読み取りの仕組み、品名の辞書(社内で追加できます)、確認の画面、CSV の取り込み手順。
期間と金額(税抜・目安)
| 工程 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| 読み取りの組み込み・注文書のレイアウト 120 社・品名の辞書 | 1 か月目 | 60 万円 |
| 確認の画面・CSV 書き出し・手入力との並走と調整 | 2 か月目 | 60 万円 |
| 合計 | 約 2 か月 | 120 万円 |
比較サイトの調査(2026 年 6 月・19 サービス)では、市販の読み取りサービスの中央値は、確認の画面まで込みで初期 0 円・月額 3 万円・1 枚 27 円です。うちの 1 枚 5 円以内は読み取りの API の実費だけで、確認の画面と辞書の分は 120 万円の中に入っています。業務の自動化を開発会社に頼むと 150 万〜1,000 万円が目安ですが、120 万円・2 か月に収まるのは、読み取りを自分たちで作らず、既製の API を組み込むからです。
別にかかるもの
- 読み取りの実費。1 枚 5 円以内。月 2,000 枚でも 1 万円を超えません。
- サーバーとデータベースの利用料。月 5,000 円前後。
- 公開後の保守。年間で開発費の 10%(年 12 万円)。得意先が増えたときの注文書のレイアウトの追加は、社内で辞書に足せます。
見積書を持っている方へ。これから作る方へ
手元に 350 万円の見積書があるなら、その見積書を送ってください。項目を 1 つずつ並べて、削れる所と残す所を 3 営業日で比較表にしてお返しします。まだ見積書が無い方は、注文書の見本 1 枚と 1 日の枚数を書いてもらえれば、同じ形で見積もりを出します。どちらも無料です。